さて、前回も触れたように、今回は
「プルサーマルと原子力発電所」について書いていきたいと思います。
まず最初に「原子力発電」の原理を簡単に説明すると、
ウランなど核燃料を核分裂させる
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ものすごい熱エネルギーが生まれる
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水を蒸気に変える
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蒸気でタービンを回す
↓
発電する
といった仕組みです。
これを、化石燃料(石炭・石油)で、熱エネルギーを起こすものを「火力発電」と呼びます。
意外に知られていないんですが、風力発電の風車を「タービン」、風を「エネルギー種類」と置き換えて考えても、大して難しい仕組みではないんです。
ところが、火力発電の場合は、燃料が無くなればそのうち停止して、燃えカス(ゴミ)が出るというのは、理解できますよね?
燃焼時二酸化炭素を出すというのもまあ、理解できます。
問題は「原子力発電」です。
「核爆発」をおこさないように、「核分裂」を(制御棒)で制御するところまではいいとしましょう(考えれば危ないんですけど)。
その後の使用済み燃料は実は処理方法が未だに決まっていないんです。
というか海に投棄したり地中に埋めたりと処理とは言えないものなんです。
なぜって?
それは原発のゴミから、放射能の毒性が消えるまでには、およそ3万年かかると言われています。
3万年ですよ!!
今現在の技術で、3万年安全に保管、もしくは投棄できる保証はないですよね。
つい最近では、高知県東洋町が高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地調査に全国で初めて応募し、問題になりましたが、まさにこれです。
50年ほど放置して、冷却してもなお表面温度が数百度もある、核のゴミを粉末にして、ガラスで固めた「ガラス固化体」として地中に埋める方法「地中投棄」です・・・考えさせられますね。
もう一つのテーマ「プルサーマル」ですが、
プルは「プルトニウム」、 サーマルは「軽水炉」。
つまり、ウラン燃料用の軽水炉でプルトニウムを使う原子力発電の事です。
原子力発電所は「軽水炉=ウラン燃料」という訳です。
その軽水炉でプルトニウム燃料を使用して発電させるという事です。
掘り下げて言うと、プルトニウムとウランを混ぜた「MOX燃料」を、軽水炉で使うという、プルサーマル計画が進められています。
で、何がいいのか言うと、プルトニウムとウランを混ぜて燃やすと、燃料に含まれたウランが、またプルトニウムに変わるので、燃料としては非常に効率がいいという事なんです。が、扱いにくいんです。
それと燃えカスはどうしても出ます。
再生燃料にしようが何しようが最終的に出るんです。
それと、何かのトラブルで暴走した場合最悪のシナリオが、待っています。